システム巾木M 二重床用巾木。
隙間を隠せ、空気を抜け。TGM-101、TGM-102、TGM-103●重量床衝撃音の遮音性能を向上させます●空気を抜くことにより床の太鼓状態をなくします●モヘヤ材により床と巾木のぶつかる摩擦音を防ぎます●床下からの埃の出入りを防ぎます(フィルター効果)※遮音性能を高めるために特注モヘヤ材を使用しております 技術の概要

近年、集合住宅の床にはフローリング仕上げの乾式二重床が採用されることが多く、歩行や子供の飛び跳ねのような衝撃による重量床衝撃音、椅子の引摺りスプーンなどの軽くて硬いものの落下音のような軽量床衝撃音を低減する材料が採用されています。
乾式二重床は、床仕上げ材とスラブとの間に空気層があり、ここが密閉状態になると、歩行や飛び跳ねの際の衝撃によって床が太鼓のように作用し、重量床衝撃音が大きくなることが知られています。そこで、最近の乾式二重床周辺部の壁との取合い部分は、巾木の下に2mm程度の隙間を設け、床下の圧縮された空気が室内に抜けるようにすることが一般的になっています。
一方、軽量床衝撃音はフローリング材と巾木が接触すると、床の振動が壁からスラブに伝搬し、床衝撃音が大きくなるため、この隙間は軽量床衝撃音対策としても有効に作用します。
しかし、この隙間が意匠的に敬遠される場合もあり、巾木の下部に柔らかい樹脂製のパッキン材を取付け、フローリングと接触させる仕様も存在します。この場合、軽量床衝撃音の性能は確保できますが、床下の空気が抜けないため重量床衝撃音は大きくなります。
(図1参照)
そこで、巾木の下部に特殊なモヘヤ材を取付け、隙間を隠しながら重量床衝撃音の性能を確保する巾木を開発しました。通常はモヘヤ材が隙間を隠し、重量衝撃源となる衝撃が加わった際は、床下の空気を室内に抜くことが可能となりました。
今後、集合住宅の巾木として建設現場に展開していく予定です。

図1 巾木の違いによる空気流通のイメージ 巾木の違いによる空気流通のイメージ

開発の背景

財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの2009年度の相談統計年報によれば、2005 年 4 月〜2008 年 3 月までの音環境に関する相談 884 件に対して、共同住宅に関する電話相談の騒音源としては重量床衝撃音が最も多い状況でした。
(図2参照)
乾式二重床の重量床衝撃音性能の確保が重要な問題となっています。

図2 住宅形式別の不具合の原因となる騒音源 住宅形式別の不具合の原因となる騒音源

床衝撃音低減性能

巾木下とフローリングとの隙間を2mmとして施工した場合の重量床衝撃音を基準としたときの「システム巾木M」の重量床衝撃音レベルの相対値を図3に示します。重量床衝撃音レベルの決定周波数帯域である63Hz帯域でパッキン付き巾木よりも3dB以上小さくなっており、隙間を隠しながら床下の空気が十分抜けていることが確認されました。

図3 重量床衝撃音測定結果 重量床衝撃音測定結果

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